ハチミツとクローバー

6月は仕事がとても忙しくて、22時台まで目黒にいて、帰ってきてご飯食べてなんてしたらすぐに日付が変わってしまう。そんな生活していると当然2,3時まで寝られないのでネットしたりテレビを付けたりしていたのだが、深夜アニメで目についたのが「ハチミツとクローバー」だった。
何曜日にやっているのかすら気づいていなかったので、実際には2,3回15分ずつくらい見ただけでストーリーは全然分からないんだけど、浴衣と花火のエピソードとか感じが良かったので気に入った。思い立ってbk1に注文。
7月は途中からグッと仕事が片付いて定時近くに帰ってたりもするので、即日20時前にネコが運んできたものを受け取れてしまった。当然7冊買い。

自分はすぐ働くつもりで高校に入り、その通りにしたので舞台となる大学は遠い存在。どんな体験であっても実際にそうやって暮らした4年間とかが全くないので、大学の話しは現実感が薄くなりがち。まあ所詮はお話しの世界なので、大学が絡む話しは全部そのまま受け入れるようにしている。ただ、金がない、貧乏ってエピソードは難しい。家は家庭の事情で裕福ではなかったはずだが、母親はそれを感じさせない技を身につけており「貧乏だ」と口にしているのに不思議と私ら子供はそうとも思ってなかった。別に普通に衣食足りてれば貧乏とはいわんでしょ? そういう価値観は不動のものであり、他人が持ってるアイテムを羨むことはあっても無けりゃ無いでどうしようもない。高校生になったらバイトして自分の小遣い稼げば、そこそこ欲しいもの買えるでしょ。光栄の「三国志」を遊ぶために買ったと言って良いPC-8801FAも親に借金して、一年で完済。就職したらしたで欲しかったものを全部ローンで購入し、月額6万4千円もの支払いで一年完済。基本的に欲しいものは買ったし、買えなかったものはそれほど欲しくなかったもの、他を諦めてでも欲しいと思わなかったもの、という扱い。
小市民的ではあるが何でも買ってきた自負があるので、金がない、という状態が深刻に受け取れない。もちろん会社やめて日雇いバイトばかりしていた時期に金欠状態はあったけど、それだって働けば金は入るのであって、働かないから金がないんだろ、と考えれば、大学生の金がない、ってのとは違うんだろうなぁ、と。

まあそんな貧乏話はつきものとしても、人間関係とか、人の思いの描き方とか、なかなかうまくやってますね、ハチクロは。やりたいことを見つけられない学生の悩みやもがきとか、こそばゆく感じる読者を尻目に、劇中でこそばゆく感じる人間を描きまくってしまう。読者が読み込んで共感するのではなく、明確に描き込んで支持される昨今の「親切」な作り。TV画面にあふれる解説コメントがそのままこのマンガにも描かれまくっていて(マンガは昔からそうだけど)、確かに時代が支持する分かりやすいお話しだなぁと思う。

カカトで解決する山田さんや他人の言うことを聞かない森田さん他、なんだかみんな一途ですな・・・。普通そんなに芯通ってないでしょってとこは竹本君が解決。人生は夢や希望がなければ生きられないものぢゃない。ただ生きていくって事の中に十分理由もあるはずなんだけど、まあ大学生程度の年齢では分からないっていう設定か。
って大人になったって分かってない連中多いものな。夢を持て!なんてうさんくさい連中の言うこと真に受けて、夢を持ってる自分を頼りに生きていく。それって信仰と違わん。