PSV vs ACミラン

チャンピオンズリーグの本命はACミラン。グループリーグを見てそう感じていたのだけれど、そのミランのゴールに3点ぶち込むPSVが凄い。パク・チソンイ・ヨンピョが素晴らしい選手になっていて、この舞台にふさわしい存在感。
パクの先制ゴールなんて、ボールを受ける動き、トラップでボールをゴール側に置き同時に身体の向きを変える、ボールを前に運び受け手のスピードに合わせてパスを出す、そのままゴール前へダッシュ、こぼれてきたボールをひっぱたいて天井へ突き刺す!! この一連の動きの見事なこと。
イ・ヨンピョの精力的な上がりとよく鍛えられたクロスの技術にも目を見張った。韓国は大嫌いだけど韓国人プレイヤーが嫌いなわけぢゃないので、今後も彼らの活躍を見てみたい。パクはどこのチームに行くのだろうか。もうPSVでやる選手ではない。

試合は国内リーグとの連戦で疲弊しているミランが本調子ではなく、2点差を追うPSVの吹っ切れた攻めが目立った。パクの先制点で俄然盛り上がり、イ・ヨンピョのクロスをコクーがねじ込んで追いつくという素晴らしい内容。追加点を許さずロスタイムに試合を決める得点を取ってみせるミランの役者が上だったということ。それでも直後にコクーが美しいボレーを決める等、PSVの戦いぶりには舌を巻く。

今期のチャンピオンズリーグ準決勝は、2試合とも2ndが名勝負となった。素晴らしい。


それにしても。
アブラモビッチという人にとって今シーズンは最高の展開だった。
チェルシーを50年ぶりのリーグ優勝に導いたのはモウリーニョ監督だけれど、それも油マネーによる選手の乱獲がなければ成し得なかったでしょう。モウリーニョを呼べたのも油マネーなわけだし。
ただ、プーチンに逆らったら監獄に送られちゃうロシア経済界の人間として、ヨーロッパに地位を築いて身の安全を図るという戦略が本当だとしたら、イングランドでの成功は大きい。もっとも国内タイトルを独占なんてしたら、国内の反感を買っただろう。チャンピオンズリーグを獲ってもそれは勝ちすぎであり、妬みの対象になったかも知れない。それが下馬評を覆される形で、同じ英国のリバプールに敗れるというドラマチックな展開は、むしろチェルシーアブラモビッチを心豊かに受け入れる土壌になったかも。金は出すけど口は出さないという世評は上に立つものとして悪くない。

アブラモビッチ強制収容所に送られるか、上流階級に食い込むか・・・なんか、ゲーム作れそうだよ。