日々グイン・サーガ

最近ペース上がってきた。現在37巻「クリスタルの婚礼」 92年2月発行。
序章であるところの辺境編5冊からパロが回復される16巻まではなかなかに盛り上がって読みやすいのだが、その後のケイロニア陰謀編は鬱々として楽しまず。イシュトヴァーンが国盗りに挑む30巻前後が俄然面白い。
96巻まで進んでから、あらためて読み直すグイン・サーガはいろいろと気づくことが多い。あまりに長いお話しだから、全体を通しで読み直したことは20巻頃までに1,2度あったくらい。つまみ読むような振り返り方しかしてこなかっただけに、忘れてしまっていた伏線やエピソードに気づき、初めて読んだ時にはそれほどとは思わなかった会話や情景が心に迫ったりもする。
放浪の超戦士グイン。彼の行き着いた国、自らが統べることになる国ケイロニアは、獅子心帝アキレウスの思慮と老将ダルシウスの気骨に象徴される、どこまでも質実で大人の国。異形・豹頭であるグインを代替わりするように誘い、去っていくダルシウス。その別れのシーンは深い心の邂逅を描き、初めて読んだように新鮮で、実は涙すら浮かべてしまった。私としては全体として楽しめないケイロニア陰謀編も、ここは秀逸な描写で、ひょっとして全体でも屈指かなぁ〜。読み返して良かった。