グイン・サーガ 第96巻

豹頭王の行方(ハヤカワ文庫 JA 765)
栗本薫

bk1でブリーダープログラムなるモノを導入してみたが、よく分かっていないので詳しく説明できない。結局自分が買っても3%分割引になるシステムなので入れてみた。いわゆるアフィリエイトプログラムなんだろうけど。
Amazonを採用しない理由は2つ。1つには、知り合いが皆Amazonを使っているので自分は違うのにしてみようといういつもの思考。いま1つは、友人が勤めている会社が経営しているので縁もゆかりもないAmazonよりこっちを使ってあげようという考え方。もっともその友人からして、よく分からない理由でAmazonを使ってたりして・・・。まあ、多くの面でAmazonの方が使いやすかったりするような気もするからなぁ。

さて、グインですが。
6月に楽天ブックスで中古の既刊本を再購入してから、通勤時や帰宅後の余暇時間に読み続けている。すでに17巻まで進んだ。さすがに読み始めて20年近くも経つと、忘れているエピソードや細かい伏線、ディティールに気がついて、結構楽しい時間を過ごしている。16巻でいわゆる「序章」が完結したこのシリーズ。結局最新の96巻「豹頭王の行方」ですら「終章」には至っていない。だが、多くの謎を解き明かすかのような最近の流れを、SF的な説明ではなく、物語世界の「常識」に沿った形で解説するお話しだった。作家が単純に「ネタバラし」をやるのは感心しないのだが、そこには様々な困難に直面した主要登場人物達の新たな道のりが記されているから許されてしまうなぁ、と。
パロの国難に対して凛々しく立とうと思い至る女王リンダ。(表紙の人物がリンダだとは気づかなかった。胸大きすぎないか? いや、でもドレスってのは無理矢理肉を押し上げて大きく見せる仕組みになってるんだからそれもありか、などの感想を強く持つ。最近の表紙の中では印象的な目をしている)
アルド・ナリスを失った衝撃から世を儚んでいたヴァレリウス。最近本来の真面目さを発揮して魔道師宰相職を全うし、なんだか元気が出てきてしまっている。
ケイロニアにおけるグインの片腕、自信にあふれ有能なランゴバルト選定侯ハゾスの人柄や闇の司祭グラチウスの企みなどが読み物としての体裁は保っている。
そんなにハゾスを持ち上げなくても良いのにと思うが。私は「よく出来すぎ」なハゾスは登場当初から好きではない。
1つの館の中だけで、少ない登場人物がそれぞれについて語り合う。こんな話しはダイナミズムがないからつまらなくなりやすいのだが、グイン・サーガが好きな人は今回の登場人物の誰彼かに、興味を引かれざるを得ないだろうから、やっぱり許されちゃうんだな。これも「歴史」故のことか。
とにかく私としては「ハゾスはやっぱりスカン」「お転婆な少女として登場したリンダが、ようやく女になってきた」ということを確認した巻、とだけ記憶されるような気がしている。