グイン・サーガ 94巻 永遠への飛翔 栗本薫

「初恋」より先に読んでいたのだけれど、感想を書いていなかったので。
SFファンタジー小説だったりするグイン・サーガ。舞台設定の関係から、SFの部分は第1巻から登場するいわゆる物質転送装置「古代機械」に集約されてきたのだけれど、ノスフェラスへ行けば「星船」があり、それは宇宙船だから当然SFチックになる。科学的かどうかは全く別な話しだが。
グインが自分の正体に迫る物語として、一つの起点となるだろう。星船は、北の賢者ロカンドラス、アルゴスの黒太子スカール、そしてグインなどごくごく少人数しか関わることを許されないテーマだった。それの正体がグインの正体と共に僅か1巻でこれでもかと云うくらい「説明」される。90巻以上引っ張ってきたネタについて、そろそろ何か語られなければ終わりも見えないことだし、これは許せる。
作者の描写する星船内部の様子が、70年代や80年代のSF作品を思わせるのは、構想自体がその頃なんだから仕方ないか。作者のイメージが進歩してないからだと断言できるが、かといってこれ以上冗長な表現は望まないしねぇ。
焦点が定まっている巻なので、特に違和感なく読み進めた。来年はとうとう100巻に届くだろう。そろそろネタバレ全開でお願いしたいものだ。200巻は大口だけでやめておいてもらって。なんとか150巻くらいで納めて欲しい。
付き合う方の身にもなってもらって。一つ。